甲子園の大声援には実況アナものまれる? 阪神・井上は「最高です」
阪神タイガースの中継などでおなじみの朝日放送テレビ・高野純一アナウンサーと、朝日新聞スポーツ部のトラ番・大坂尚子記者が定期的に語る「虎バン主義。」。今回は、声援が戻った甲子園球場がテーマです。
大坂 声出し応援が解禁されて、改めて甲子園の熱気を感じる日々です。
高野 特別ですよね。友人が関西観光する際には、吉本新喜劇と甲子園は絶対薦めます。甲子園はオンリーワンだと思います。
大坂 連日約4万人のお客さんが詰めかけています。
高野 この集客力はほかのスポーツではなかなかありません。
大坂 選手も応援の力を感じています。4月27日、3安打4打点の活躍だった4年目の井上広大選手は、お立ち台からの景色を「最高です」と。その後の取材でも、これほどの大音量の中に身を置くのは初めてだといい、「本当に温かい声援をもらっている」と話していました。
高野 実況中、グラウンドからもスタンドからも熱を感じます。高校野球の決勝も似た感じ。それに負けないようにしゃべろうと思っていますが、若い時は勢いにのまれかけて、訳がわからなくなる時もありました。
大坂 高校野球といえば、2019年夏に大阪・履正社高で全国制覇した井上選手が「高校はアルプス席が分かれているけど、プロは球場全体から声援を感じる」と違いを教えてくれました。高野さんはヒーローインタビューを担当する時に、意識していることはありますか。
高野 4月19日に大竹耕太郎、岩貞祐太、坂本誠志郎の3選手を担当しました。
大坂 大竹、岩貞両投手が熊本弁で掛け合ってました。
高野 何を言っているのかわからなかったんです。意味を尋ねた方が良かったという意見もありましたが、後輩アナから『ファンも何と言ったか想像する方が楽しいのでは』と。ボケの解説はしない、みたいな感じですね。球場が盛り上がればいいかなと考えています。
大坂 確かにあれは盛り上がりました。高野さんが思う、甲子園の一番の醍醐(だいご)味は何でしょうか。
高野 チャンスマーチが流れる時じゃないかな。4万人の一体感を一番感じられます。現地に来られない人のためのラジオ・テレビなので、なるべくそのまま伝わるようにという気持ちでやっていますが、やはり現地には、かないません。浜風になびく旗、天然芝のグラウンド……球場そのものもきれいですよね。
大坂 天然芝といえば、阪神園芸の「神整備」を見て楽しんでほしいです。14日の試合で単独首位とチームも好調ですし、ファンも一層応援に力が入りますね。
高野 熱狂的すぎると言われることもありますが、生え抜きの選手も育ってきています。TORACO(女性阪神ファンの愛称)デーは母の日が重なったこともあり、球場外周に花束を持ったスーツ姿の選手ポスターが掲示され、ファンが写真撮影していました。テーマパーク化ではないけど、色々な楽しみ方があります。
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