住友ファーマ、初の最終赤字745億円 白血病薬の開発失敗など響く
住友ファーマが15日発表した2023年3月期決算(国際会計基準)は、最終的なもうけを示す純損益が745億円の赤字(前年は564億円の黒字)だった。新薬開発の失敗や薬の需要低迷に伴い、約760億円を減損処理したことが響いた。05年に大日本製薬と住友製薬が合併して以来、最終赤字は初めて。
収益の柱である抗精神病薬「ラツーダ」の北米での独占販売期間が今年2月に終わった影響は大きく、24年3月期も800億円の最終赤字を見込む。
売上高は前年比0・8%減の5555億円、本業のもうけを示す営業損益は769億円の赤字(前年は602億円の黒字)だった。パーキンソン病の治療剤の販売が伸びず、特許権を554億円で減損処理した。急性骨髄性白血病薬の開発も失敗に終わった。
24年3月期の業績は、北米市場の落ち込みが大きく、売上高は前年比34・8%減の3620億円、営業損益は780億円の赤字、純損益は800億円の赤字を予想する。
野村博社長は「(不振の北米子会社の再編など)コスト削減と、売り上げをなんとか押し上げる方向で努力する」と語った。25年3月期の黒字回復をめざす。
同社は22年、大日本住友製薬から住友ファーマに商号変更した。(金子智彦)
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