京セラ、一般向けスマホ事業から撤退へ 売上高は初の2兆円突破

中村建太
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 京セラが15日発表した2023年3月期決算(国際会計基準)は、売上高が前年比10・1%増の2兆253億円と、初めて2兆円を超えた。一方、原材料費の高騰などから利益面では苦戦。営業利益が前年比13・7%減の1285億円、純利益は同13・8%減の1279億円だった。採算改善に向けて、24年3月期以降に一般向けの携帯電話事業から撤退する方針だ。

 先端半導体の入れ物にあたるパッケージや、製造装置に使うファインセラミック部品の引き合いが強く、増収に貢献した。円安によって売上高が約1900億円押し上げられた。

 谷本秀夫社長は目標としてきた売上高2兆円の達成について「1兆円を超えたのが2001年(3月期)。2兆円になるまで22年かかった。いくらなんでもかかりすぎたかなと反省している」と述べた。

 同社は29年3月期に売上高3兆円の目標を掲げている。半導体や電子部品の需要がさらに伸びるとみて、26年3月期までの3年間で最大8500億円を投じ、増産を図る計画だ。

 一方、スマートフォン市場が落ち込み、部品などのコストも上がっていることから一般向けからの撤退を決めた。谷本氏は「(通信規格が従来の4Gから)5Gに移って部品が増え、価格も上がった。値上げに、市場からの許容性もあまりない。原価が上がって、とても利益が出せない」と話した。(中村建太)

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