今の日本は「1980年代の欧米」 「核兵器との共存」考える時代に

有料記事

牧野愛博
[PR]

 広島での先進7カ国首脳会議(G7サミット)。被爆地での開催で、核抑止や核廃絶に注目が集まりました。東京外国語大学の吉崎知典特任教授は、ロシアや中国、北朝鮮による核の脅威が現実化するなか、日本も冷戦末期に欧米で議論された「核兵器との共存」を考える時期に来ていると指摘します。

 ――核を巡る現状をどうみていますか。

 日本はロシアと中国、北朝鮮の核の脅威と向き合っています。ロシアはウクライナ侵攻を巡り、核による恫喝(どうかつ)を繰り返しています。米国防総省は中国が2035年までに核弾頭を1500発まで増やす可能性があると指摘しました。北朝鮮は弾道ミサイル実験を繰り返し、7度目の核実験を行う可能性もあります。

 まず、日本はこうした現状に…

この記事は有料記事です。残り1748文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

  • commentatorHeader
    マライ・メントライン
    (よろず物書き業・翻訳家)
    2023年5月21日17時0分 投稿
    【視点】

    現在の戦略的状況が「冷戦時代に逆戻りした」というのは巷でもかなり激しく語られているテーマだが、日本と欧州諸国ではその感覚もかなり異なる。 やはり日本の場合、冷戦時代にアメリカの防衛システムによるガードがことさら手厚かった影響がいろいろな形で

    …続きを読む
G7広島サミット

G7広島サミット

日本や米国など主要7か国の首脳が広島に集い、意見を交わします。G7を知れば世界がわかる。あなたの知識をクイズで腕試し![もっと見る]