G7サミット「陰の主役」の中国 グローバルサウスを背に深める自信
北京=林望 高橋杏璃
19日に広島で開幕する主要7カ国(G7)首脳会議(サミット)の「陰の主役」とも言えるのが、軍事・経済などの面で影響力を増す中国だ。「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序」を守るというG7のメッセージは世界に響くのか。
「台湾島北部の空域に到達した。ミサイルの状態も良好だ」
雲海を見下ろす中国軍機のコックピットから、管制に呼びかけるパイロットの声が響く。
続いて、国産空母「山東」から飛び立つ戦闘機や、中国本土から放たれたミサイルが台湾周辺に着弾するCGのシミュレーション画像も映し出された。
4月8日から3日間、中国軍東部戦区が台湾周辺で行った演習の宣伝動画の一幕だ。
4月23日、南シナ海のアユンギン礁(中国名・仁愛礁)ではフィリピンの巡視船に中国の大型海警船が迫って進路をふさぐなど、領土や海洋権益で「一寸たりとも譲らない」(王毅〈ワンイー〉・共産党政治局員)との中国の姿勢は揺るがない。
米欧主導に対抗、年々堅固になる主張
列強の侵略で本来の版図を失…