だいぶ議論して「消費税の名前、間違えた」 元自民党税調会長の後悔
税金はなるべく納めたくない。けれど、病気になったり年老いたりしたときに支え合うしくみは欠かせない。防衛力の強化も、子育て支援も税による財源は必要だ。政治の世界では「増税=選挙に不利」が定着し、それを語ればうとまれる。大蔵省(現財務省)出身で、自民党税制調査会会長を長く務めた野田毅氏に話を聞いた。
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消費税、実は名前を間違えたと思っています。だいぶ議論してこの名にしました。戦後すぐの取引高税の導入が経済界からの猛烈な反発で頓挫した経験があり、それを連想するのを避けたのです。
消費税導入は当初、財政再建を強く打ち出したのですが、実際は少子高齢化による社会保障費の膨張が念頭にありました。
高齢になって働かなくなったら年金をもらう。病気や介護が必要な時の負担は一部ですむ。これを借金でまかなっていては、持続可能とは言えません。
たとえ消費増税が選挙で不利…
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- 【視点】
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