ウクライナ侵攻の「損害登録制度」設立で合意 欧州評議会の首脳会議

ウクライナ情勢

ブリュッセル=玉川透
[PR]

 「人権の守護者」とも呼ばれる国際機関、欧州評議会(本部・仏ストラスブール)は17日、アイスランドの首都レイキャビクで首脳会議を開いた。大多数の参加国が、ロシアによるウクライナ侵攻で生じた損害の登録制度設立を支持し、閉幕した。

 欧州評議会のマリヤ・ペイチノビッチブリッチ事務局長は会議後、登録制度について「戦争の犠牲者を中心とした正義を保証する最初の必要かつ緊急の第一歩になる」と述べた。

 AFP通信によると、登録制度は当初3年の期間を予定している。昨年2月のロシアの侵攻以降に受けた物的・人的な被害を記録し、その後の損害賠償やロシアへの責任追及に役立てる。オランダ・ハーグに拠点を設置し、ウクライナにも連絡事務所を置く計画という。

 欧州評議会はまた、ロシアに不法に連れ去られたウクライナの子どもたちの状況についての宣言を採択した。子どもたちの即時帰還を求めると共に、ウクライナ当局への支援を呼びかけた。

 欧州評議会は第2次世界大戦後の1949年、欧州共通の理念と強固な統合を目的として設立された。欧州連合(EU)加盟国、英国、ウクライナ、トルコ、西バルカン諸国など計46カ国が加盟し、日本や米国など5カ国がオブザーバー参加する。

 ロシアも96年に加盟したが、昨年2月のウクライナへの軍事侵攻を受け、昨年3月に除名された。

 重要議題を受けて招集される首脳会議は49年の設立以来、今回が4回目。初回の93年は、「ベルリンの壁」崩壊などを受けてウィーンで開かれた。直近では2005年にワルシャワで、旧共産圏の国々が加盟した後の基本方針などを協議した。(ブリュッセル=玉川透)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら

ウクライナ情勢 最新ニュース

ウクライナ情勢 最新ニュース

ロシアのウクライナ侵攻に関する最新のニュース、国際社会の動向、経済への影響などを、わかりやすくお伝えします。[もっと見る]