郷愁のアンミラ 6月にバーチャルショップ開店、その先には…

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松原央
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 東京・高輪にあった最後の店舗が、昨年8月に惜しまれながら閉店したアメリカンパイの店「アンナミラーズ」。戦後日本が一番元気だったころにトレンドの先端を走った「郷愁のアンミラ」をもう一度。そんなファンの思いが、もうすぐバーチャルショップでかなう。そして、その先には――。

 「古き良きアメリカ」のような、どこか懐かしい店内に焼きたてのパイの香りが漂っていたアンナミラーズ高輪店。「アンミラ」の名で親しまれたレストランの日本上陸50周年となる今年6月13日、運営していた井村屋グループ(津市)は、高輪店を細部まで3Dで再現したバーチャルショップをネット上に開店させる。

 グループによると、往年のファンが思い出の中の高輪店を再訪できるとともに、将来の再出店に向け、アンナミラーズの雰囲気を記録しておくための試みだという。

 1973年6月に東京・青山に1号店を出したアンナミラーズは、米国風の店内で焼きたてのパイやチーズケーキを提供し、外食産業の黎明(れいめい)期だった日本に「テーマレストラン」という新風を吹き込んだ。

 東京の自由が丘吉祥寺など首都圏のトレンド発信地に次々と出店した。メイド風の店員の制服も話題を集め、95年には21店を展開。だがその後は、バブル崩壊や価格競争など外食産業を取り巻く変化に対応できず、店は次々と閉店に追い込まれた。東京の広尾店などで店長を務めた鼎(かなえ)正教顧問(68)は「質へのこだわりやテーマ性の高さが、業態転換の遅れにつながった」と振り返る。

 だが昨年6月に高輪店の閉店…

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