【詳報】ゼレンスキー氏が演説「広島のような再建夢見る」 G7閉幕
広島で開かれている主要7カ国首脳会議(G7サミット)。ウクライナのゼレンスキー大統領が広島を訪れ、G7首脳会議に参加しました。ロシアによるウクライナ侵攻などについて意見を交わしました。会議の動きをタイムラインで速報します。
(タイムスタンプは日本時間、括弧内は現地時間)
■■■5月21日(日本時間)■■■
21:45
ゼレンスキー氏、日本に感謝の投稿
主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席するために来日していたウクライナのゼレンスキー大統領が、日本を離れた直後にテレグラムを更新した。
投稿では「戦争が石に影を残すのは歴史の中だけになるように、それが見られるのは博物館の中だけになるように、世界中の誰もが可能な限りのことをしなければならない」と訴えた。
この投稿は、この日訪れた平和記念資料館の展示物「人影の石」を念頭にしたとみられる。資料館の説明によると、爆心地付近にあった銀行の入り口の階段を切り出したもので、逃げる間もなくその場で死亡したとみられる人の形跡が残る。
ゼレンスキー氏はまた、「世界中の誰もが」とした上で「国境を認め、正義を守り、命を重んじ、平和を責務としなければならない」と言葉を並べた。
広島でウクライナ国旗を多く目にしたというゼレンスキー氏は、「ウクライナ国旗があるということは、そこに自由や生命、私たち国民への強い思いがあるという証拠だ」と主張。日本や日本国民、岸田文雄首相への感謝をつづり、投稿を締めくくった。
22:17
岸田首相、全日程を終え東京へ出発
岸田文雄首相は21日夜、主要7カ国首脳会議(G7サミット)の一連の全日程を終え、広島空港から政府専用機で東京に向けて出発した。
18日から4日間の広島滞在中に首相は、G7議長として各国の首脳のほか、招待国首脳や国際機関の長らと会談。21日にはG7サミットに飛び入り参加したウクライナのゼレンスキー大統領とも会談した。
21:20(モスクワ15:20)
ゼレンスキー氏のサミット参加「プロパガンダのショーに」ロシア外務省
ロシア外務省は21日、広島市で開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)にウクライナのゼレンスキー大統領が対面で参加したことについて、「キエフ(キーウ)政権の首領の参加は、サミットを完全にプロパガンダのショーに変えた」と批判する声明を発表した。ロシア国営タス通信が報じた。
タスによると、ロシア外務省はG7がロシアとの「包括的な対立」に固執していると主張。米国が西側諸国による対ロ制裁の内容やウクライナへの軍事支援の規模を計画する役割を担っているとし、G7の存在意義が「ロシアに対するハイブリッド戦争の実行にあることが確認された」と述べた。
また、サミットの内容について「反ロシア、反中国の性格を有した極めて不愉快な一連の声明」が発表されたと批判。「G7はロシア・中国と非西側諸国との関係を発展させないために、非西側諸国を恥ずかしげもなく取り込もうとしている」とした。
21:02
日商・小林会頭がコメント「歴史的なサミット」
日本商工会議所の小林健会頭は21日、広島で開かれた主要7カ国首脳会議(G7サミット)が「歴史的なサミット」になったと評価するコメントを出した。「ウクライナのゼレンスキー大統領も迎え、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を堅持するG7の強い結束が示された」ことなどを理由にあげた。
また、世界経済を引っ張るインド太平洋地域での安全保障に焦点を当て、G7が連携を確認したことは意義深いと指摘し、「供給網などの経済安全保障に特化した討議がなされたことを歓迎する」とした。
19:25
ゼレンスキー氏会見「広島のような再建、夢見る」
主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席するために来日したウクライナのゼレンスキー大統領が21日夜、広島市の国際会議場で記者会見した。78年前に原爆が投下された地から、「人類の歴史から戦争をなくさなければならない」と訴えた。
ゼレンスキー氏はこの日、サミットの「ウクライナ情勢」「平和で安定し、繁栄した世界に向けて」の二つの討議に参加。夕方には平和記念資料館を訪れ、岸田文雄首相とともに原爆死没者慰霊碑に献花した。
会見でゼレンスキー氏は、資料館で見た原爆投下直後の写真の風景が、ウクライナ東部バフムートなどロシアの攻撃を受ける街と似ているとくり返し指摘。「広島のように街が再建されることを夢見ている。領土を奪還したい」と述べた。
激戦地バフムートについてロシア国防省が20日に「解放を完了した」と発表したことについては、「単純な答えはない」と語りつつ、「少しすれば、私たちが勝利すると理解している」と主張した。
19:00
バイデン米大統領が記者会見 「破壊的な現実を思い起こさせる」
バイデン米大統領が21日、主要7カ国首脳会議(G7サミット)後に広島市で記者会見した。19日の平和記念資料館への訪問について「核戦争がもたらした破壊的な現実を力強く思い出させるものだった」と振り返った。G7が「核兵器のない世界」の実現に向けた取り組みを続けることを確認した、とも述べた。
バイデン氏は19日、他のG7首脳とともに平和記念資料館を訪問し、約40分間滞在した。現職米大統領の訪問は2016年のオバマ大統領(当時)に続き、2人目となった。資料館の視察の様子は非公開だった。
バイデン氏は、かねて「核なき世界」の理想を掲げてきた。だが、ロシアのウクライナ侵攻が続くなか、米側からみれば、米軍が原爆を投下した広島での発信に慎重にならざるを得ない面があり、核軍縮を進めるのも難しい情勢だ。米政権は中国による不透明な核戦力の増強にも警戒感を強め、核抑止の強化を重視している。
バイデン氏は会見でも、核軍縮の具体的な方策には言及しなかった。ただ、被爆地広島で「破壊的な現実」の認識を示し、平和の構築に向け「決して努力をやめないという、我々が共有する責任」を強調した。
バイデン氏は21日、ウクライナのゼレンスキー大統領と個別に会談。他国からウクライナへの米F16戦闘機の提供を認め、訓練を支援すると伝えた。バイデン氏は、F16をロシア国内の攻撃に使わないことの「確証を得た」とし、戦争の激化につながるとの見方を否定した。
18:30
日ウクライナ首脳会談、ゼレンスキー氏「一生忘れることはない」
岸田文雄首相とウクライナのゼレンスキー大統領は21日夕、広島市内の国際会議場で会談した。岸田氏は、会談に先立つ主要7カ国首脳会議(G7サミット)への参加や平和記念公園の慰霊碑への献花に感謝の言葉を述べた。
岸田氏は「ロシアの核兵器に…
- 【視点】
うーん。どうなる広島サミットとは思ってましたが、カオスだなあと。ゼレンスキー大統領来日が実現してますます感じます。 G7サミットでは毎年、メディアが大きく取り上げる以外のテーマも様々に話し合います。G7だけでは対応しきれない問題も増えて
- 【視点】
追伸です。戦争被爆地・広島でのサミットでヒロシマが新たな意味をもつことになるかもと申し上げた意味を、ウクライナ危機に関して軍事的に考えてみました。このサミットを機にウクライナへの通常兵器の供給が進む一方で、ロシアによる核兵器使用へのハードル