ゼレンスキー氏、なぜフランス機で日本へ? 外交筋が明かした舞台裏
ウクライナのゼレンスキー大統領が今月14日にパリを訪問した際、フランスのマクロン大統領に広島での主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席する意向を示し、航空機の手配を頼んだことがわかった。フランス外交筋が明らかにした。ゼレンスキー氏は、訪問先のサウジアラビア西部ジッダから、フランスの政府専用機で広島に20日午後到着した。
フランス外交筋によると、今回の準備が始まったのは、ゼレンスキー氏が今月14日、G7サミットを前に、イタリアとドイツに続いてパリを訪問した時だった。ゼレンスキー氏とマクロン氏は同日夜にフランス大統領府で夕食をともにしながら会談。この際に、ゼレンスキー氏が「G7に出席したい」と述べ、マクロン氏に航空機の手配を直接依頼したという。
サミットを前にした欧州諸国歴訪では、ゼレンスキー氏が欧州に軍事支援を訴えかける場面が目立っていたが、水面下では訪日への調整が始まっていたことになる。この外交筋は、ゼレンスキー氏がフランスの政府専用機で日本に来たことについて、「両大統領の継続的な関係性による信頼の証しだ」と話す。
マクロン氏は昨年5月、ロシアとウクライナの停戦交渉をめぐり、「両国は侮辱しあってはならない」と発言し、ウクライナ側から批判を浴びた。しかし、今年1月には、米国やドイツに先駆けて、軽戦車「AMX―10RC」の提供を決定。ドイツなどが自国独製主力戦車「レオパルト2」などを提供する流れをつくるなど、ウクライナに寄り添う姿勢を打ち出してきた。
ゼレンスキー氏とマクロン氏は侵攻1年を迎える直前の今年2月にもパリで会談し、フランス大統領専用機で一緒に欧州連合(EU)の本部があるブリュッセルに向かっていた。(宋光祐)
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