湯浅不在でこの鉄壁ぶり サヨナラを呼び込んだのは阪神自慢の救援陣

大坂尚子
[PR]

(20日、プロ野球 阪神タイガース1―0広島東洋カープ)

 九回2死一、二塁、阪神・森下翔太の打球が左前で弾む。

 中大からドラフト1位で入団したルーキーのサヨナラ打に4万2千人超が入った甲子園が揺れる。

 この劇的勝利を呼び込んだのは自慢の救援陣だ。

 先発は開幕から5戦5勝の大竹耕太郎。この左腕を0―0の八回、岡田彰布監督はすぱっと代えた。

 試合前までリーグで唯一、防御率1点台(1・91)のリリーフ陣が控えているからだ。

 まずは岩貞祐太が八回を無安打で片付ける。

 九回は岩崎優がマウンドへ。4番から始まる広島の攻撃を飛球三つで退け、裏の攻撃への流れをつくった。

 「表で点をやらなかったら、何とかなるんじゃないかと思っていた」と岡田監督。言葉通りの決着になった。

 前夜、エース青柳晃洋が一回から5失点と崩れ、連勝が7で止まった。及川(およかわ)雅貴ら2番手以降の3投手もこぞって失点した。

 この嫌な敗戦が脳裏にあったのだろう。

 この日の試合後、岩貞は「僕らが打たれるわけにはいかなかったので、抑えられてよかった」と語った。

 岩崎も「こうやってブルペン陣で勝ちを拾っていくのが大事」と言った。

 ともに31歳。近年の救援陣を引っ張ってきたリーダーの自覚がにじむ。

 再び勝ち越しを10とし、首位をがっちりとキープする。

 ワールド・ベースボール・クラシックに出場した本来の守護神、湯浅京己(あつき)をコンディション不良で欠いてもこの鉄壁ぶり。

 今季の阪神は、大崩れしそうにない。(大坂尚子)

 岡田監督(神) 「(前日に続き)どっちが勝ってもおかしくないような展開。昨日負けたんだから、今日の勝ちはそら、すごく大きい」

 森下(神) プロ通算6安打目がサヨナラ打に。「打席に入る前から、もう自分が決めてやろうという思いだった」

 大山(神) 九回2死から二塁打を放ち、サヨナラの本塁を踏む。「全力で走るだけでした。昨日連勝が(7で)止まったので、この1勝は大きい」

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら