広島で今年3回目の日韓首脳会談 岸田首相「関係進展を如実に示す」
岸田文雄首相は21日午前7時55分から約30分、開催中の主要7カ国首脳会議(G7サミット)に招待国として参加している韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領と広島市で会談した。
冒頭、首相は「日韓のあり方に加えて、グローバルな課題についても、両国の連携強化について意見を交わしたい」と述べた。尹氏は経済安全保障などをあげて「地球規模の課題への対応のための相互連帯や協力についても深く話し合いができれば」と応じた。
日韓首脳は、3月に最大の懸案だった徴用工問題について韓国側が解決策を公表して以降、首脳が互いの国を訪問する「シャトル外交」を再開した。尹氏は3月に来日し、首相は今月7日に就任後初めて韓国を訪問。両氏の会談は2週間ぶりで、今年3回目だ。首相は「日韓関係の進展を如実に示すものだ」と述べた。
前回の会談で、首相は徴用工問題について「自身の思い」として、「多数の方々が大変苦しい、悲しい思いをされたことに心が痛む思いだ」と表明した。このことについて尹氏はこの日の会談で、首相に「国民の胸に大きく響いた。誠意ある姿を示してくれた首相の勇気と決断はとても大切なことだ」と改めて述べた。
広島で開かれている主要7カ国首脳会議(G7サミット)は21日午前9時ごろ、核保有国のインドをはじめ、韓国やインドネシア、ブラジルなど招待国の首脳や国際機関の長らがそろって広島平和記念資料館を視察した。
午前9時半、岸田文雄首相を中心に、首脳ら15人が原爆死没者慰霊碑に並んだ。一同は雲一つない青空の下、慰霊碑に花束を手向け、数秒間の黙禱(もくとう)を捧げた。