主要7カ国首脳会議(G7サミット)に出席するために日本を訪問したウクライナのゼレンスキー大統領が21日夜、広島市の国際会議場で記者会見した。78年前に原爆が投下された地から、「人類の歴史から戦争をなくさなければならない」と訴えた。
当初はオンラインでサミットに参加する予定だったゼレンスキー氏は、自らの「強い希望」によって20日午後に広島を電撃訪問。21日までに、欧州連合(EU)を含めたG7の全ての国のほか、インド、インドネシアの首脳と二国間会談を行った。
サミットでは21日、「ウクライナ情勢」「平和で安定し、繁栄した世界に向けて」の二つの討議に参加。夕方には平和記念資料館を訪れ、被爆者の小倉桂子さん(85)の話を聞き、岸田文雄首相とともに原爆死没者慰霊碑に献花した。代表取材に小倉さんは「広島に住む被爆者として、お役目が果たせてうれしかった」と話した。
ロシアの侵攻開始から約1年3カ月が経ったいまも、ウクライナは領土の2割をロシア軍に占領され、街には毎日のように空襲警報が響く。
激戦が続いてきたウクライナ東部バフムートはロシア国防省が20日、「解放を完了した」と発表。ゼレンスキー氏は会見でこの点について「単純な答えはない」と語りつつ、「少しすれば、私たちが勝利すると理解している」と主張した。
会見ではまた、広島の資料館で見た原爆投下直後の写真の風景が、バフムートなどロシアの攻撃を受ける街と似ているとくり返し指摘。「広島のように街が再建されることを夢見ている。領土を奪還したい」と述べた。
軍事面でウクライナを支えて…
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- 【視点】
ゼレンスキー大統領の平和のフォーミュラ(公式)、「世界の誰もが、他国の人々を尊重しなければならない」はじめ5つのルールです。万人の人権を尊重する人権思想がその基盤にありますが、人権教育すら日本の学校では十分に行われていません。 平和の
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