タピオカミルクティーは中国グルメか 新任の中国大使が込めた本音
論説委員・村上太輝夫=国際社説担当
中国の呉江浩大使が5月9日、日本着任のレセプションであいさつした際、おや、と思うくだりがあった。
「東京でもタピオカミルクティーや麻辣湯(マーラータン)などさまざまな中国グルメを味わうことができ……」(呉大使自身は中国語で「奶茶(ナイチャー)」=ミルクティーとしか言っていないが、会場で掲示された和訳と大使館サイト掲載文には「タピオカミルクティー」とある)
タピオカミルクティーの発祥の地は台湾だ。呉大使はそこを言わぬまま、さらりと紹介したのである。
呉大使は4月の記者会見で「台湾は中国の内政問題であり、干渉は許さない」と述べた。今度は、台湾が中国の一地区であることを当然の前提とした言い方を選んだ。露骨でない分、かえって台湾統一への強い決意のようなものを感じる、というのは深読みか。
台湾に対する国際的支持が目…