創業100年のソース会社、異例のタッグ 互いの強みを生かした味
ともに今年創業100年を迎える東京と神戸の老舗ソースメーカーが、異例のタッグを組んだ。普段は社外に出さない秘伝のレシピの一部を共有し、2年がかりで新しいソースを作り上げた。
タッグを組んだのは、トキハソース(東京都北区)とオリバーソース(神戸市中央区)。いずれも1923年創業だ。
オリバーの道満龍彦取締役(38)はこう振り返る。
「最初は冗談で、実現するとは思わなかった」
きっかけは2018年。道満さんとトキハの田口直樹専務(35)が、ソースメーカーらで作る一般社団法人「日本ソース工業会」の集まりで顔を合わせたことだった。会社の創業年が同じで、年齢も近いことから意気投合。互いの工場を見学し合うなど、交流を続けてきた。
両社の代表商品の特徴は異なる。
トキハの「生ソース」は、原料の野菜を加熱せずに熟成させる。フルーティーな香りや甘みが魅力だ。一方、オリバーの「どろソース」は、ウスターソースを作る過程でタンクにたまる沈殿液を使って作られる。香辛料のピリッとした辛みに加え、野菜や果実のうまみが利いたパンチのある味が人気だ。
21年、田口さんは道満さんにこんな提案をした。
「それぞれの強みを掛け合わせることで、創業100年にあわせた面白いソースができるのではないか」
開発はトキハの本社工場で始…