提訴から10年、本人尋問はじまる 大阪地裁の原発避難者集団訴訟
松浦祥子
東京電力福島第一原発事故で福島県などから関西に避難した人たちが、国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟の弁論が24日、大阪地裁であり、原告への尋問が行われた。最初の提訴から約10年で初めての本人尋問で、来年も続く予定。
原告は2013~16年に提訴した85世帯234人。尋問は各世帯1人ずつで、この日は3人に対し、原告・被告双方の代理人が避難生活などについて質問した。
原発事故当時、福島県郡山市に住んでいた森松明希子さん(49)は、放射線被害への不安から、3歳の長男、生後5カ月の長女と大阪市に自主避難した。地域医療を担う医師の夫は地元に残り、「家族4人の幸せな暮らしを失った。国策で進める原発で事故が起きたのだから、国は多くの人の避難生活に責任を取るべきだ」と訴えた。
同種訴訟では、昨年6月の最高裁判決が「(東日本大震災の)地震・津波は想定よりはるかに大規模で、防潮堤を設置させても事故は防げなかった」として、国の責任は認めないとの初判断を示している。(松浦祥子)
有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。
【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら