子宮頸がんワクチン、男性も全額補助 南陽市が山形県内で初めて実施
山形県南陽市は、子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)感染を防ぐワクチンについて、男性の接種料を6月1日から全額補助する。女性のHPV感染リスクを減らすのに加え、男性にとっても肛門(こうもん)がんなどの予防につながるからだ。市によると、男性を対象にした接種料の補助は県内で初めて。
子宮頸がんの要因は性交渉によるHPV感染。国内では2013年4月に小学6年~高校1年相当の女性を対象に定期接種が始まった。しかし、体の痛みなどを訴える人が相次ぎ、国は同6月に積極的勧奨を中止。その後「ワクチンとの関連を示す研究結果は確認されていない」として22年4月に勧奨を再開した。一方、男性のワクチン接種は任意で自費となっている。
市が補助対象とする男性は、1997年4月2日~2012年4月1日生まれの12歳~26歳で計1937人。女性の定期接種年齢のほか、勧奨が中止された期間に定期接種対象だった女性に公費接種を認める「キャッチアップ接種」の年齢も含めた。
4価ワクチンを接種し、3回分の計4万8600円を全額補助する。接種できるのは南陽市、高畠町、川西町の計15医療機関。接種には事前予約が必要で、接種後に市の窓口に補助を申請する。市の担当者は「性別に関係なく、幅広い世代に接種してもらい、感染リスクを減らしたい」と話す。(坂田達郎)
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