コロナ禍の違和感を振り返る機会、逸してませんか リロン編集部から

金沢ひかり
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 公園の遊具の周りに張り巡らされた「立ち入り禁止」のテープ、マスクの売り切れを知らせる貼り紙、閑散とした日中の繁華街――。

 コロナ禍が始まった2020年春の緊急事態宣言下で見た光景を、いまあらためて思い返すと、「こんなこともあったよね」と、ため息とともに懐かしさにも似た感覚が襲ってきます。「5類感染症」に変更され、人流も戻りつつあるいま、あのとき感じたいくつもの違和感を振り返る機会を逸してはいないでしょうか。

「Re:Ron(リロン)」は、朝日新聞の新しい言論サイトです。コンセプトは「立ち止まるためのメディア」。論考やインタビューをもとに対話を重ね、「論」を深めます。

 Re:Ronでは、サイトの立ち上げ当初から、人類学者の磯野真穂さんによる連載「コロナ禍と出会い直す 磯野真穂の人類学ノート」を掲載しています。コロナ禍で「感染対策」として講じられた複数の措置を、医療人類学を主とした人文・社会科学の観点から論じることを主題とした連載です。

 磯野さんは連載のプロローグでこう記します。

 「『和をもって極端となす』という反応のツケを未来に背負わせることのないよう、同じことを起こさないよう、あの時の社会の反応を共同体の観点から分析しなければならない」

 「和をもって極端となす」とは磯野さんが提唱する表現で、「パニックを沈静化させるためにとられた極端な対策が、長期にわたりダラダラと続くこと」を意味します。すでに配信された記事では、濃厚接触者が確認された離島での「理不尽」な対応についての考察がなされています。

 磯野さんのフィールドワークを通じて描かれる、コロナ禍と「出会い直す」連載は、原則として金曜日に配信しています。(金沢ひかり)

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