がんと診断、お金や仕事の悩みどこに相談? 患者や家族の支援充実へ
医療費はいくらかかるのか、仕事と治療の両立はできるのか――。「がん」と診断された患者やその家族の悩みごとの相談先として、全国に「がん相談支援センター」があるが、あまり利用されていない。今年度からの国のがん対策の指針では、相談支援の周知など、必要な正しい情報にたどりつけるようにすることが目標に掲げられている。(神宮司実玲)
初めての入院、医療費はいつ、どれくらい?
お金の問題って、誰に相談すればいいんだろう。
2021年10月、静岡県熱海市の塚本文人さん(56)は、胆管がんの手術のために静岡県立静岡がんセンターに入院した。
黄疸(おうだん)の症状があり、入院していた別の病院からの紹介でセンターを受診し、がんと診断された。相次ぐ検査や初めての入院……。3歳の息子と6歳の娘と妻がいる。がん保険を解約した直後だった。慌ただしい日々が落ち着くと、医療費は今後どれくらい必要か不安になった。
そんな時、がんに関する疑問や不安、悩みに応じる同センターの「よろず相談」のパンフレットを初診時にもらっていたことを思い出した。相談場所は正面玄関から入ってすぐ右にあり、病院内を散歩するとき、よく見かけていた。
さっそくよろず相談を訪れ…
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- 【視点】
この記事で紹介されている、がん対策推進基本計画のこれまでを少し振り返ります。日本人の死因第1位のがんへの対策を強化しようと、「がん対策基本法」が成立したのが2006年。これにもとづき翌07年に作られたのが、第1期のがん対策推進基本計画でした
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