3兆円規模にのぼる少子化対策の実施に向けて、政府は約1兆円を社会保険料に上乗せする「支援金」で徴収する検討に入った。国民1人あたり月約500円の負担増。政府は社会保障の歳出改革と組み合わせることで、実質的な負担増「ゼロ」にしたい考え。だが改革には「痛み」を伴い、暮らしへの影響も避けられない。
支援金は医療保険料とともに徴収する方向。健康保険組合や国民健康保険など制度ごとに負担額を割り当てる案を検討している。75歳以上の後期高齢者も対象とする方針だ。
後期高齢者は12日に成立した改正法で、2024年度から出産育児一時金の一部を負担することが決まったばかり。この制度改正では、全ての医療保険料収入24兆4千億円(24年度推計)のうち、後期高齢者分が7%(1兆7千億円)を占めることから、一時金も同じ割合を負担することにした。新たな支援金でも同様の仕組みが検討されており、後期高齢者1人あたりの負担額は、単純計算で月300円程度になる。
「これからが大変な作業だ」
子育てに直接関わらない人に…