5年連続ワーストは今や過去 トラの逆転劇を生んだ鉄壁の二遊間
(25日、プロ野球 阪神タイガース7―4東京ヤクルトスワローズ)
鉄壁の二遊間を中心とした守りが、阪神の逆転勝ちを呼び込んだ。
まずは二塁手の中野拓夢だ。1点差に迫った四回1死の守り。二塁ベース寄りの速い打球に、少しかがんで逆シングルで対応し、二ゴロにした。
六回1死一、二塁では、二遊間を抜けそうな打球に遊撃手・木浪聖也が横っ飛び。ベースカバーに入った中野へトスして二塁で封殺した。抜ければ追加点を許した場面だけに、「集中していた。反応で捕れた」。
傾きかけた流れをここで止めたことが、攻撃につながる。直後にミエセスが同点ソロ。最終的に延長十回までもつれたが、最後も三塁手の佐藤輝明がゴロをうまくさばき、試合を締めた。
昨秋に就任した岡田彰布監督がまず着手したのが、5年連続でリーグワーストの失策数だった守備の改善だ。守備位置の固定を明言し、特にこだわったのが二遊間。木浪と小幡竜平を遊撃で競わせ、元々その位置にいた中野を二塁へ転向させた。
中野は昨季、セ・リーグの遊撃手で最多の18失策だった。「ショートの時は(打球に)無理に突っ込んで捕球ミスもあった」と中野。二塁手転向で一塁までの距離が近くなって送球への不安がなくなり、深く守る余裕が生まれたという。
守備が安定したことで、攻守に死角がなくなった。セ・リーグ2連覇中のヤクルト相手に、2021年の開幕カード以来となる敵地・神宮での同一カード3連勝。それでも監督は「変わったことは別にしていない」と涼しげな表情だ。(大坂尚子)
サイスニード(ヤ) 7回2失点。「内容自体は悪くなかった。守備にも助けられて投げることができたが、本塁打2本がすごく悔しいです」
伊藤将(神) 3失点で八回途中に降板。「先に点を取られてしまいましたが、なんとか丁寧に粘りながら投げることができた」
近本(神) 八回にソロ。「まずは出塁したい場面でしたし、まさか入るとは思いませんでしたが、うまく風に乗ってくれたかなと思います」
岡田監督(神) 2日連続で、2死から得点したことについて「一人出たら、なんか後ろがうまいことつないで打っている」。
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