フランスで開催中の第76回カンヌ国際映画祭で25日、最高賞パルムドールを争うコンペティション部門に選ばれた役所広司さん主演、ビム・ベンダース監督の「パーフェクト・デイズ」が公式上映された。
ベンダース監督、ダンサーの田中泯さんら共演者と上映に立ち会った役所さんは、総立ちの観客が拍手を送る中、ベンダース監督と抱き合った。「本当に温かい拍手をいただき『ああ、楽しんでもらえたかな』と安心感が湧いた。ベンダース組はいいチームでした」と上映を振り返った。
田中さんが「映像の仕事でスタンディングオベーションは初めてで、うれしいもんでしたけど、それより何より『役所さん、やったな!』という思いがわき上がって抱きつきたかった」と話すと、役所さんが「俺のオヤジ役をしょっちゅうやってるから」と応じ、笑い合った。
ドイツ出身の巨匠ベンダース監督が日本に招かれ東京で撮った同作は、役所さん演じる公衆トイレ清掃員の穏やかな日常と、端々にのぞく過去の影を描く。日本での公開時期は未定。