陸自最大の実弾演習、消えた観客 防衛省関係者「本音を言えば…」
成沢解語
陸上自衛隊で最大の実弾演習「富士総合火力演習(総火演)」が27日、静岡県の東富士演習場であった。陸自は約60年間にわたり、演習場に観客を入れて訓練を公開してきたが、今回から取りやめた。歴史をたどると、自衛隊をめぐる世相の変化が浮かび上がる。
富士山の裾野に広がる東富士演習場。戦車の砲が火を噴いた瞬間、爆音がとどろき、空気が震えた。例年おなじみの光景だが、この日は、かつて周囲を埋め尽くした観客の姿はなかった。演習の様子は、ユーチューブでライブ配信された。
総火演が始まったのは自衛隊創設から間もない1961年。部隊が保有する戦車や大砲、迫撃砲といった主要装備品の火力を演習場近くの教育機関「陸自富士学校」で学ぶ隊員に実感させ、実際の戦闘がどんなものかを知ってもらうのがそもそもの目的だった。
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- 【視点】
コロナ禍をきっかけとした合理化ですね。私は一般公開されていた2017年に総火演を取材しましたが、富士山を背に実弾が飛び交う演習の脇で屋台がにぎわい、数万の観客の誘導やスタンド設営に隊員たちが動員されるこのイベントは何なんだろうと思いました。
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