「命より大切」な年寄名跡 3億円払った親方も 公益法人化で紛糾

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抜井規泰
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 「命より大切。これがあれば、いま俺が死んでも家族が食い詰めることはない」。ある親方がそう語った名跡証書。私の知る限りだが、3億円以上を支払った親方が3人いる。

 親方の「私有財産」ともいえる証書を協会が召し上げると言ったら――。当然、猛反発するだろう。2011年、そんな非常事態が親方衆を襲った。公益法人改革である。

 110年ぶりの制度改正で、日本中の法人は公益法人か一般法人のどちらかを選んで組織を作り直す必要に迫られた。従来の財団法人日本相撲協会が公益法人になれば、これまで通り国技館も使えるし、有価証券預貯金などの財産もそのままだ。しかし、そのためには、第三者である評議員会のコントロール下に置くなどの組織改編が必要だ。

あの横綱が… 相撲協会に提出できず協会を退職

 一方、一般法人になれば、こ…

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