手染めのにじみ、ゆらゆら揺れて 夏物手ぬぐいに注文殺到 大阪・堺
夏本番を前に、堺市中区の染色工場「ナカニ」では夏物の手ぬぐいの生産が最盛期を迎えている。
職人たちが手作業で染めた色とりどりの手ぬぐいが、天井からつり下げられて風に揺られていた。
手ぬぐいは、明治時代に大阪で生み出された「注染(ちゅうせん)」という技法で染められている。長さ25メートルの布を折り重ねた上に、柄に合わせて染料を通さない特殊なのりを土手のように乗せていく。土手の中に手作業で染料を注いで染めた後、乾燥させて手ぬぐいの大きさに切断していく。
「ナカニ」の中尾弘基社長(36)によると、新型コロナウイルスが5類に移行し、全国各地の祭りやイベントの再開が進んだことで、注文が殺到。昨年同時期に比べ、倍以上の売り上げがあり生産が追いつかないほどだという。
手ぬぐいは同社のオンラインショップ(https://nijiyura.net/)の他、大阪、東京、京都、神戸に計6つある直営店でも購入できる。
インバウンド需要も好調で、東京や京都では3~4割の売り上げが、外国人観光客によるものだという。
中尾社長は、「吸水力が高く、乾きやすく、においにくい。額に入れて飾っても涼しげなので、夏に手にとってほしい」と話していた。(金居達朗)
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