夫のアルバムに昔の彼女からの絵はがき 悩む70代女性の心を解く
悩みのるつぼ 相談者(70代女性)
3年ほど前、偶然、夫のアルバムにはってあった彼女からの絵はがきを見てしまった。夫は友達だという。ただの友達からの絵はがきを、後生大事に半世紀も残しておくだろうか。夫を追及した。
20歳の時、大阪で1カ月の研修があり、そこで一目ぼれした彼女からの絵はがきだった。夫は彼女に夢中になり、交際して数日後には結婚したいと思うほどになった。だが研修が終わると遠距離のため、会えなくなった。電話はない。連絡手段は手紙のみ。半年ほど文通をしたが、彼女からやめたい旨の手紙が届き、交際は終わったという。
交際したのは2週間余り。女房がいるのに、たった2週間の女がなぜ、半世紀にもわたり忘れられぬ女となってしまったのか。私とは、彼女と別れた1カ月後に出会った。夫は未練の真っ最中。お互いに不運な出会いだった。
信頼していた夫にまさかこのような女がいたなんて青天のへきれき。夫は申し訳なかったと言っているが、なかなか夫婦の絆は元に戻らない。フラッシュバックのようになり、夫を責めたくなる気持ちが消えない。つらい日々を過ごしている。
回答者 文筆業・清田隆之
相談文からは強い苦しみが伝わってきます。出会った時期が〈未練の真っ最中〉だったことを思うと「私は妥協?」という疑念が生じても不思議ではないし、絵はがきを発見したときは、まるでオセロが一気にひっくり返るように過去のすべてが否定された気持ちになったかもしれない。ずっと噓(うそ)をつかれていたのか、私のことは好きじゃなかったのか、長年の夫婦生活はなんだったのか……と様々な思いに翻弄(ほんろう)されながら3年という時間を過ごしてきたのが相談者さんの現在地ではないでしょうか。
このように、構図としては浮…