薄くて軽い、次世代太陽電池 下水処理施設で国内最大規模の実証実験
軽量で生産コストも安い次世代太陽電池の実用化に向けた国内最大規模の実証実験が、東京都内の下水処理施設で始まった。都と、開発した積水化学工業による共同研究。2025年12月まで発電効率や耐久性を調べる。
実験するのはフィルム型の「ペロブスカイト太陽電池」。重さは現在主流のシリコン型太陽電池の10分の1ほどで、薄く、曲げることもできる。ビルの壁や工場の屋根、柱の側面などにも設置でき、弱い光でも発電する。
実験では、森ケ崎水再生センター(大田区)内にある下水処理槽のふたの上に、大きさの異なる電池3枚(計約9平方メートル、出力計約1キロワット)を置いた。これまでの実験にない大きさで、下水処理施設への設置も国内初という。都によると、置き場所を確保しやすい同センターで、下水から発生する硫化水素や海風に対する耐久性も調べるという。
ペロブスカイト太陽電池は、国も開発を後押ししており、岸田文雄首相は4月、当初の目標だった30年を待たずに実用化を目指すという方針を打ち出した。
24日にあった実験の開始式で、小池百合子知事は「エネルギー情勢が厳しく、気候変動で脱炭素などの課題がある中、このイノベーションが日本の技術として羽ばたく手伝いをしたい」と話した。(太田原奈都乃)
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