「古い政治」の象徴とも言われる自民党の派閥が、勢力拡大に余念がない。党内で存在感を高める狙いは共通だが、各派には独自の事情があり、岸田文雄首相の派閥も例外ではない。ただ、拡大路線は摩擦や分裂のリスクと隣り合わせで、規模の追求に慎重な声は少なくない。
「宏池会(岸田派)が一致結束し、他の政策集団とも力を合わせていきたい」。17日夜、東京都内であった岸田派パーティーで、首相は力を込めた。岸田派は党内第4派閥。官僚出身が多く、権力闘争に疎いとして「お公家集団」と揶揄(やゆ)されてきた歴史があるが、現在、規模拡大に意欲的だ。
3月以降、越智俊之参院議員ら3人が入会し、計46人になった。岸田派中堅議員は「人数は多い方がいいと、首相も思っている」。
岸田派「50人」目標の声も
党内基盤が弱い首相は、政権…