ASEANに「ミャンマー疲れ」 暴力停止や人道支援、進まぬ仲介

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ジャカルタ=半田尚子 ヤンゴン=福山亜希 シンガポール=西村宏治
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 2021年のクーデターで国軍が実質的な権力を握るミャンマーで、事態の正常化や暴力停止などを仲介しようとする周辺国の取り組みが難航している。度重なる呼びかけにもかかわらず、国軍側は民主派の弾圧を緩めていない。地域10カ国でつくる東南アジア諸国連合(ASEAN)は、人道支援を入り口に関与を深めようとしているが、進展があるかは不透明だ。

 ミャンマーには今月14日、猛烈なサイクロン「モカ」が上陸。西部ラカイン州などが大きな被害を受け、500人以上が死亡したとの報道もある。

 ASEANは翌15日に「支援の用意がある」との声明を発表。21~22日に、約17万ドル(約2375万円)相当の物資を空輸した。さらに追加の支援を送る計画もある。

 支援活動さなかの22日、シンガポールのバラクリシュナン外相はSNSへの投稿で「支援を必要とするミャンマーの人々への緊急輸送を支援した」と述べた。

 ASEAN側は一貫して「国軍に対する支援ではない」と説明する。支援を届けるには国軍の協力は欠かせない一方、国際的に非難を浴びている国軍側を支えているとみられることは避ける必要があるためだ。

 クーデターから約3カ月後の…

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