エルドアン氏続投か否かが最大の焦点 トルコで大統領選の決選投票

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イスタンブール=高野裕介
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 中東の地域大国トルコで28日、大統領選の決選投票が行われた。ロシアによるウクライナ侵攻をめぐり仲介役として動き、約20年にわたり政権を握る現職のレジェップ・タイップ・エルドアン大統領(69)が続投するかどうかが最大の焦点だ。

 14日の第1回投票には4人が立候補(1人はその後撤退)。得票率首位のエルドアン氏=49・52%=と、2位の野党6党の統一候補ケマル・クルチダルオール氏(74)=44・88%=は、ともに当選に必要な得票率50%を超えず、2人による決選投票に持ち込まれた。

 今回の選挙は、長引く経済の混乱や、5万人以上の犠牲者を出した2月の大地震への対応をめぐり、エルドアン氏に逆風が吹いていた。事前の世論調査では、クルチダルオール氏の優勢を伝えるものが多かった。

 エルドアン氏は長期政権での実績をアピールしつつ、国民の経済的苦境を意識し、賃金の引き上げや家庭でのガス料金の一部無料化を約束。被災者向けには、約65万戸の住宅を建設してそのうちの半数近くを1年以内に引き渡すと訴え、第1回投票では被災地11県のうち8県を制した。

 また、「テロとの戦い」を強調し、クルチダルオール氏が「テロ組織の支援を受けている」と持論を展開し、右派や民族主義者らの層への支持固めを図った。

 一方、クルチダルオール氏を推した野党側は6党が「反エルドアン」で結束。エルドアン氏の強権化につながった「実権型大統領制」を従来の議院内閣制に戻すことや、表現やデモの自由を訴えてきた。

 ただ、第1回投票で2位にとどまると、クルチダルオール氏は極右政党とも連携。「テロとの戦い」やシリア難民の送還などを前面に出し始めた。

 決選投票では、1回目で3位候補を支持した人たちの票の行方も、カギの一つになりそうだ。

 事前の予想を大きく上回る約…

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