全焼の本堂4年ぶり再建 名張・福成就寺
亀岡龍太
三重県名張市箕曲中村の福成就寺で27日、新しい本堂の落慶法要が営まれた。2019年5月3日に火災で全焼し、再建をめざしていた前住職も21年に亡くなった。さまざまな苦難を乗り越えた檀家(だんか)や地元の人たちは、4年ぶりの再建を静かに喜び合った。
新本堂は木造平屋の約120平方メートル。火災で本尊の薬師如来像が焼損したため、新たな本尊として室生寺(奈良県宇陀市)から寄贈された薬師如来像を安置した。出火直後に持ち出されて無事だった国の重要文化財「黒漆厨子(こくしつずし)」は県教委が保管しており、近く戻されるという。
この日は故・岩田昌信(しょうしん)前住職の長女妙信(みょうしん)さん(58)に、真言宗室生寺派の網代智明・前管長から新住職の辞令も渡された。妙信住職は「皆さんのおかげで再建でき、先代も感謝していると思う」と話し、「住職として精進していきたい」と決意を述べた。(亀岡龍太)