常総学院、決勝には届かず 迷い振り切った一打 春季関東高校野球

宮廻潤子
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 第75回春季関東地区高校野球大会(関東地区高校野球連盟主催、朝日新聞社など後援)は27日、横浜スタジアムで準決勝があり、常総学院(茨城1位)は、木更津総合(千葉2位)に0―3で完封負けを喫し、決勝進出を逃した。もう1試合は、健大高崎(群馬1位)が専大松戸(千葉1位)を6―4で破った。28日に同スタジアムである決勝は、健大高崎と木更津総合のカードとなった。

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 3点差を追いかける六回表2死走者なし。右横手投げの相手エースから、まだ1点も奪えていない。

 「ここで絶対取り返すんだ」。常総学院の6番打者石井恭悟(きょうご)選手(3年)は、強い気持ちで打席に入った。初球。狙っていたインコースの直球を捉えると、左翼線への二塁打とした。

 直前の守備では、自身のエラーで出した走者が本塁にかえり、相手に1点を渡してしまっていた。粘り強く投げている飯塚遥己(はるき)投手(同)らチームメートに「申し訳ない」という気持ちになった。

 しかし、気持ちを切り替えた。「ここで落ち込んでも意味がない」

 昨秋の県大会準決勝で、土浦日大に1―7で敗れた。攻撃力の差を見せつけられ、チーム全体で磨いてきた。冬の間は、石井選手も多い日で800~1千回のスイング練習を重ねてきた自負があった。

 六回は後続が断たれ、本塁は踏めなかった。それでも、苦しい場面で長打を狙おうと心に決め、「迷わず振り切ることができた」と振り返る。「今日と同じ悔しい思いをしないように、守備練習にも力を入れたい」。夏に向けて、さらなる挑戦を誓った。(宮廻潤子)

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