河野太郎氏が自民党総裁選で脚光を浴びてから、まもなく2年がたつ。歯に衣(きぬ)着せないもの言いで「政界の異端児」と呼ばれて久しい。どこへ向かおうとしているのか。
面目躍如
大手電力7社の電気料金の値上げを政府が認めた16日。河野太郎氏は記者会見で、消費者の利益を擁護してきたと強調し、「(電力会社に)徹底したコスト効率化を前提にした対応を求めた」と3カ月にわたる議論を振り返った。
大手電力会社が次々と電力料金の値上げを国に申請するなか、今年2月に「待った」をかけたのは消費者担当相の河野氏だった。電力料金の値上げ手続きを定める電気事業法では、電力会社の値上げ申請を許可する権限は経済産業省にある。だが、料金に関しては、審査の過程で消費者庁と協議する決まりがある。これを河野氏は「武器」にした。
消費者庁幹部には「責任は俺が取る。もっと牙をむけ」と檄(げき)を飛ばし、電力各社の社長らを消費者庁に呼んで直接聞き取った。
大臣自らが前面に立つのは極めて異例。霞が関や電力業界では「河野氏のパフォーマンスだ」と、冷ややかに受け止められた。
それでも河野氏は、カルテルや顧客情報の不正利用に手を染めていた電力会社に批判的な世論を追い風にする。
岸田文雄首相は4月時点での値上げの先送りを指示。協議の末、6月の値上げは決まったものの、値上げ幅は申請当初より4~14%分圧縮され、14~42%になった。消費者担当相の面目躍如だった。
批判の的にも
だが、存在感が増せば、風当…