定員割れ私立大→公立化 「退場すべき大学を税金で延命」批判も

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編集委員・増谷文生
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 公立大が今春、100校に達した。多くの公立大が立地する地方では、都市部以上に少子化が進む。安い学費などで受験生を引きつけているが、先行きは安泰ではない。

 近年目立つのが、私立大の公立化だ。日本私立学校振興・共済事業団によると、入学者数が定員より少ない「定員割れ」の私大は2022年度、過去最多の284校で全体の47・5%を占めた。一方、文部科学省は40年の大学進学者数を現在より13万人少ない51万人になると推計する。

公立大同士で学生の奪い合いも

 公立大には、国から学部系統…

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    田中俊之
    (大妻女子大学准教授 男性学研究者)
    2023年5月29日9時54分 投稿
    【視点】

    あらゆる若者が大学で学べる環境を整えることが求められます。僕は社会学が専門なのでこの分野を例に述べますが、社会学を専攻する大学生は、社会の中で生じるあらゆる問題について、理論的および実証的に考える訓練をします。その上で、自分なりに問いを立て

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    遠藤乾
    (東京大学大学院法学政治学研究科教授)
    2023年5月29日11時51分 投稿
    【視点】

     複雑な気持ちでニュースに接する。地方の(公立ではないが)国立に長く勤め、さらに周辺とやり取りしていた身として、過疎化と高齢化の波の真っただ中にいる地方で、大学どころか高校が当地の唯一の知的インフラで、それがないと若者が消え、本当に老人ばか

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