エルドアン氏続投、北欧のNATO加盟どうなる 米ロとの関係は?

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イスタンブール=高野裕介
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 28日に行われたトルコ大統領選の決選投票で、現職のレジェップ・タイップ・エルドアン大統領(69)が当選し、続投を決めた。ロシアによるウクライナ侵攻で仲介役を担い、ウクライナからの食料輸出を国連とともに実現するなど、外交舞台で存在感を増すトルコ。エルドアン政権の継続で、国際情勢にはどのような影響があるのか。

 国際社会が注視しているのが、北欧スウェーデン北大西洋条約機構(NATO)への加盟申請をめぐるトルコの対応だ。

 「今の時点で、スウェーデン(の承認)への準備は我々にはない」。エルドアン大統領は19日に放映された米CNNのインタビューで、こう発言した。

 昨年2月のロシアによるウクライナ侵攻を受け、スウェーデンとフィンランドは長年の軍事的中立の立場を転換し、NATO加盟を決断した。

 ところが、エルドアン氏は、トルコが敵対する少数民族クルド人らの非合法武装組織「クルディスタン労働者党」(PKK)などに両国が活動場所を与えているとして反発。西側諸国の歓迎ムードに水を差した。

 トルコは昨年6月、両国での「テロ組織」の活動阻止や、「テロ容疑者」の引き渡しを盛り込んだ覚書を両国と交わし、譲歩を引き出した。その後、フィンランドの加盟は承認したものの、スウェーデンについては対処が十分でないとして今も加盟を認めていない。

 7月に予定されるNATO首脳会議までにトルコが加盟を承認するかが焦点となるが、エルドアン氏は引き続き、「テロ容疑者」の引き渡しなどを要求し、揺さぶりをかけるとみられている。

強硬的な対応、変わる?

 ただ、選挙で勝利したことで…

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    パトリック・ハーラン
    (お笑い芸人・タレント)
    2023年5月29日21時26分 投稿
    【視点】

    暴走するインフレや低迷する経済に国民の生活が疲弊している中でも、エルドアンが再選したことに、僕は驚かない。司法や政府の機関を使って野党候補や反政府メディアを弾圧し、公金を支持者にばらまき、公共放送を大統領のプロパガンダに使いまくる。そんなこ

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