エア・ドゥ、新社長に政策投資銀元常務 23年3月期は3年ぶり黒字
航空会社のエア・ドゥ(札幌市)は29日、草野晋(すすむ)社長(62)の後任に、元日本政策投資銀行(政投銀)常務執行役員の鈴木貴博氏(63)が就く人事を発表した。昨年10月に経営統合したソラシドエア(宮崎市)との協業強化に向け、体制を刷新する。
6月27日の株主総会を経て、正式に決定する。政投銀はエア・ドゥの持ち株会社リージョナルプラスウイングス(東京)の大株主。エア・ドゥの社長に政投銀出身者が就くのは、草野氏に続いて2代連続となる。
鈴木氏は東北大法学部卒業後、北海道東北開発公庫(現政投銀)に入り、法務・コンプライアンス部長、東北支店長などを歴任。2015年から、北海道ガスの常勤監査役を務める。
エア・ドゥは、コロナ禍の21年3月期に過去最大の121億円の赤字を計上。財務基盤の強化のため、同じ地域航空会社のソラシドエアと経営統合した。統合の完了や旅客需要の回復で業績改善に一定の道筋がつき、社長交代を決めたとみられる。
同社がこの日発表した23年3月期決算は、純損益が42億円の黒字(前年は23億円の赤字)と3年ぶりの黒字となった。安広孝史取締役は会見で「回復した旅客需要を確実に取り込めた」と語った。今後はソラシドエアと羽田空港で施設を共用するなど、コスト削減や販売促進に取り組む。(新田哲史)
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