岸田首相、長男で秘書官の翔太郎氏を更迭 公邸での「忘年会」に批判

[PR]

 岸田文雄首相は29日、長男で政務担当の秘書官を務める翔太郎氏(32)を交代させると明らかにした。翔太郎氏は昨年末に首相公邸で親族らと「忘年会」を開いて記念撮影をしていたことが報じられ、批判を浴びており、事実上の更迭となる。翔太郎氏は6月1日付で辞職し、後任には翔太郎氏の前任の秘書官だった山本高義秘書が就く。

 首相は29日夕、首相官邸で記者団に「公的立場にある政務秘書官として不適切であり、けじめをつけるため、交代させることとした。任命責任は私自身にあり、重く受けとめている」と説明した。

 翔太郎氏は昨年10月に、山本氏の後任で政務秘書官に就任した。昨年12月30日に公邸で親族ら10人以上と「忘年会」を開き、公的なスペースで記念撮影をしていたなどと週刊文春が報道。首相は不適切な行為だったとして翔太郎氏に厳しく注意をしたと説明する一方、処分や更迭は否定していた。

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら

  • commentatorHeader
    三牧聖子
    (同志社大学大学院准教授=米国政治外交)
    2023年5月29日19時37分 投稿
    【視点】

    翔太郎氏をめぐる一連のスキャンダルは、1個人の資質の問題を超えて、世襲政治や政治の私物化といった、日本政治を蝕んできた構造的な問題を露呈しているのではないか。日本の政治は、先進国に比しての世襲の多さから、海外メディアでは「縁故政治」「世襲政

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    米重克洋
    (JX通信社 代表取締役)
    2023年5月29日20時16分 投稿
    【解説】

    直近の報道各社の世論調査では、内閣支持率は上がっているところもあれば横ばいや下がっているところもある。全体で平均をとると横ばいか上昇トレンドの一服といったところだろうが、サミット効果による支持率上昇を首相自身の長男の問題で打ち消したのではな

    …続きを読む