衛星放送の番組をインターネットで同時・見逃し配信するための設備を整備する――。NHKの2023年度予算に、NHKが現状行うことができない配信業務に関する支出が盛り込まれていた。だが、予算は国会で承認され、疑問視する声が上がったのはその後。NHKの意思決定のずさんさを指摘する声が出ている。
複数の関係者によると、局内から支出を問題視する声が出たのは、3月30日に予算が国会承認された直後のことだ。
「業務として不可能なことに受信料の支出が決められている。NHKが受信料財源を使える業務は放送法で決まっているはずだ」
4月中旬には臨時役員会が開かれ、一部の理事らからそうした批判が出たという。今回の予算は1月に退任した前田晃伸前会長体制下で作られたもの。事態を重くみた稲葉延雄会長は調査を指示し、前田氏や当時の理事ら関係者へのヒアリングが行われたという。
「せめて理事会で報告してくれれば」
調査では、支出の決定は、理…
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