日銀は「債務超過」になるのか 581兆円に膨らんだ国債、評価損も

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土居新平 山本恭介
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 日本銀行が持つ国債の残高が、再び過去最大を更新した。欧米が利上げを加速させる中でも、大規模金融緩和で金利を低く押さえつけてきたためだ。そのリスクは、マグマのようにたまっている。過去に大量買いした上場投資信託(ETF)をどう手放していくのかという難題も抱える。

 日銀が29日公表した2022年度決算によると、同年度末時点の保有国債は前年度末比10・6%増の581兆7206億円。2年ぶりに過去最大となった。

 欧米はインフレを抑えようと利上げを急いだ。一方、日銀は金融緩和の柱として、国債を買って長期金利をゼロ%程度に抑え込む「イールドカーブ・コントロール」を続けた。しかし、日本でも物価が上がり、金利上昇圧力が強まった。日銀は対抗して大量の国債買い入れを強いられ、保有額が膨らんだ。

金利1%上昇なら28兆円の評価損

 国債の保有額はこの10年で…

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    加谷珪一
    (経済評論家)
    2023年5月30日9時41分 投稿
    【解説】

    日銀の債務超過問題が議論されると、必ずと言って良いほど「日銀は簿価で評価しているので関係ない」という意見が出てきます。しかしながら、簿価か時価というのは、財務諸表上の単なるルールに過ぎませんから、これを拠り所に資産は安全であるというロジック

    …続きを読む