揺れない富山、地震は10年間で全国最少 気象台「それでも備えを」
2022年までの10年間、全国で地震が最も少なかったのは富山県だった。気象庁によると、震度1以上を観測した回数は117回。ただ、今後も地震がないとは限らず、富山地方気象台は、避難の準備や家具の固定など家庭内の再点検を呼びかけている。
同気象台が5月の月例説明会でデータを紹介した。
全国最多は、2016年4月に震度7の熊本地震があった熊本県で、4743回の揺れを観測した。北陸では、全国最少の富山県だけでなく、福井県も193回(多い順で全国44位)と少なかった。
一方、石川県は429回(同29位)。20年12月ごろから、珠洲市を中心に群発地震が続いており、北陸の中では多かった。今回の集計は昨年末までなので、今年5月5日に能登地方で最大震度6強となった地震などは含まれていない。
だが、直近に地震が少なかったからといって安心はできない。
熊本地震以前の15年までの11年間で見ると、熊本県の地震は620回(同25位)にとどまった。熊本県は比較的、地震が少ない県だったが、直後に強震に襲われた。
この期間の最多は東日本大震災の影響を受けた福島県で6973回。富山県は201回(同44位)、福井県は279回(同36位)、07年に能登半島地震が起きた石川県は795回(同21位)だった。
同気象台の岡慶幸地震津波防災官は「地震はいつきてもおかしくない。先日の能登半島の地震を教訓に備えをもう一度点検してほしい」などと話している。(平子義紀)