第3回僕らは既得権益にはならない 引退決断して「後進育成」に力注ぐ

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太田匡彦
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 「4月いっぱいで引退することに致しました」。東京都港区議を3期12年務めてきた横尾俊成さん(42)は、今年1月26日に更新したブログで、4月の区議選に出馬しないことを支援者らにそう伝えた。

 同区内に本社を置く広告会社に勤めていた横尾さんが区議をめざしたのは、ボランティアで会社の同期らと地域のゴミ拾いを始めたのがきっかけだった。「商店街の人をはじめ、街の皆さんからものすごく喜ばれた。住民の皆さんの顔が見えてくるに従って街づくりへの関心が高まり、自分の力をそちらに傾けたいと思うようになった」

 2011年4月の区議選に立候補して初当選。30歳で区議になった。この時、10人の新人議員が生まれた(定数34)。横尾さんも含め、うち4人がロスジェネ世代だ。下の世代も1人いた。子育て支援の拡充を訴えると、「自分で育てるべきだ!」などとヤジが飛ぶような議会が少しずつだが変わり始めたという。「僕らが当選したあの前後から、潮目が変わったと思う」と振り返る。

人任せにすると「知らない街」になってしまう

 12年の間に待機児童の解消…

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