五輪招致に揺れる札幌市営団地 選手村計画次第で、変わる退去時期

新田哲史
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 札幌市がめざす2030年冬季五輪パラリンピック招致。その可否によって大きな影響を受けるのが、札幌市豊平区にある月寒団地。大会を招致できた際に、「選手村」の建設計画地となっている団地だ。

 市は30年に五輪があってもなくても、老朽化した月寒団地の大部分(A~E団地)を建て替える方針だ。3月末に建て替えの基本計画をまとめ、五輪がある場合とない場合のふたつの計画をつくった。

 五輪がある場合、団地のそばの国有地約3万平方メートルとD団地の敷地を使って選手村をつくり、9階建てのマンション3棟を建設。大会後はマンションを市営住宅として再活用し、A~E団地の住民が移る計画だ。

 一方、五輪がない場合はA団地を皮切りに約30年かけて建て替えを進める。

 五輪の有無で状況が大きく変わるのがD団地の住民だ。五輪がない場合は建て替えの順番上、36年度までいまの建物に住むことができる。だが、五輪がある場合は26年度末までに月寒団地の別の棟に一時移転しなければいけない想定だ。

 A団地の住民は逆に五輪がないと退去時期が早まり、約2年後となるという。(新田哲史)

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