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「巨額支援、一気に行き過ぎた」ミャンマー大規模ODA、頓挫の教訓

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織田一 加藤あず佐
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 国軍独裁が続くミャンマーで、日本の支援の目玉だった基幹鉄道の改修事業が頓挫した。多額の途上国援助(ODA)を活用した他のインフラ事業でも、継続が危うくなるケースが出てきそうだ。経済開発への支援で民主化を後押しするという日本のODAのあり方が改めて問われている。(織田一、加藤あず佐)

 最大都市ヤンゴンと第2の都市マンダレーを結ぶ鉄道は、日本で言えばJRの東海道線に当たる経済の大動脈だ。だが老朽化が進み、安全で安定した列車運行は難しくなっていた。

 日本が支援する改修事業で、所要時間は15時間から8時間に短縮されるはずだった。円借款の拠出総額は最終的に2千億円を大きく上回るとみられていた。

 関係者によると、改修が済んだのはヤンゴンから経由地のトングーまでの約6割。それでも日本は追加の円借款を出さない、と支援の打ち切りを通告した。

 日本のODAを活用したミャンマー支援を巡っては、国内外で「軍を利する」との批判が高まっていた。継続事業とはいえ、例外扱いはできなかった。残りは、まだ使っていない円借款やミャンマー側の資金を活用して進めていくとみられるが、東海道線のような大動脈としての機能は望めそうにない。

日本後退、「中国出てくる」

 今後の注目は中国の出方だ…

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