コウノトリとトンビ、緊迫の瞬間撮った くわえた獲物のヘビをめぐり

菱山出
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 兵庫県立コウノトリの郷公園(豊岡市)近くの水田で、コウノトリがくわえたヘビをトンビが奪おうとする様子を、圓山嗣夫さん(62)=明石市=がカメラに収めた。

 24日夕、公園にある巣塔で3羽のひなが親鳥の帰りを待っていた。ヘビをくわえて戻ってきた親鳥はひなに与えようとしているようだったが、ひなたちがうまく食べられなかったのか、ヘビをくわえて水田へ。

 そこへトンビがやって来た。ヘビを奪い取ろうとしているようだ。親鳥のすぐ上に降り、羽ばたくなどして威嚇する。親鳥は頭を低くしてヘビを丸のみし、再び巣塔へ戻った。

 圓山さんは4年ほど前から、自宅近くの池にやって来るコウノトリを撮影し始めた。60歳で退職してからもっぱらコウノトリを撮り続け、最近は週3日、撮影のため公園に通っているという。

 「コウノトリがカエルをくわえて飛んでいるのを撮影したことはありますが、ヘビは初めて。しかもトンビが奪おうとしているツーショットが撮れてラッキーでした」と喜ぶ。

 画像を確認した、コウノトリの郷公園にある県立大大学院でコウノトリの野生復帰に関わっている内藤和明准教授は「コウノトリはヘビを時々えさとして捕獲します。ただ、くちばしでは千切れないため、3羽のひなのうち、えさにありつけるのは1羽だけ。カエルなら数匹を吐き戻し、3羽とも食べられるのですが。トンビが狙っている構図は面白いですね」と話す。(菱山出)

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