「古本屋になる」が新しい 副業やネット味方に、まだいける紙の文化

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中塚久美子
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 「古本屋になりたい」がいま、ちょっとした熱を帯びている。副業の広がりなどで参入へのハードルが下がり、カフェ併設やネット専門店など形態が多様化。デジタルメディア隆盛のなか、業界側も古書市場の縮小を食い止めようと、開業の支援に力を入れ始めた。

 兵庫県豊岡市の軽貨物ドライバー、太田智也さん(48)は4月、ネット古本屋「とづき書店」を本格稼働させた。

 コロナ禍以前、運送の仕事が下火になり、他の収入源を準備しようと、ネットでゲームや家電、本などの買い取り販売を始めた。

 あるとき、引っ越しの依頼主から、1970年代の週刊誌「朝日ジャーナル」(59年創刊、92年休刊)を200冊引き取った。

 オークションサイトに出品すると、まとめ買いされた。元々読書好きの太田さんは「古い本を大事に保管している人がいて、それを今、手に入れたい人がいる」のだと気づいた。

「もうかるのか」飛び交う質問

 開業の後押しになったのが、兵庫県古書籍商業協同組合が神戸市内で2月に初めて開いた「古本屋入門講座」だ。

 太田さんのほか、姫路や淡路…

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