「らくらくスマートフォン」開発元が民事再生 製造と販売事業を停止
田中奏子 杉山歩
「らくらくスマートフォン」などの開発を手がける「FCNT」(神奈川県大和市)は30日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、受理されたと発表した。帝国データバンクによると、負債額はグループ3社で計約1193億円になるという。スマホ市場の競争激化や部品の高騰で事業環境が悪化していた。
ともに民事再生法の適用を申請したのは、携帯電話端末の製造を担う「ジャパン・イーエム・ソリューションズ(JEMS)」と、両社の親会社の「REINOWAホールディングス」。
FCNTは同日、携帯端末市場の成熟によって販売が伸び悩むなか、円安の進行や半導体不足などでコストが高騰し、急速に収益と資金繰りが悪化したと説明。携帯端末の製造と販売は事業を停止し、修理やアフターサービスも当面停止して携帯キャリアなどと協議していくとしている。
一方、シニア向けSNSなど…
- 【視点】
「らくらくスマホ」や「arrows」で知られるFCNTは、富士通の携帯電話事業を分社化する形で2016年に生まれました。当初は、富士通コネクテッドテクノロジーズという社名でしたが、2021年に現在のFCNTに社名変更しています。今回の撤退の
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