首相長男の「公邸忘年会」 世論調査の結果で予想外だったこととは
首相公邸はお化けが出そうな場所だ――。5月9日付の米タイム誌(電子版)の記事の書き出しです。岸田文雄首相(65)の独占インタビューで、外務省の申し入れを受け、見出しが変わったことが話題となりました。5・15事件や2・26事件の現場。「幽霊が出てくるよ、と警告された」。そう語ったのは、首相自身でした。その公邸を舞台に首相の肝を冷やしたのは、亡霊ならぬ首相の長男、翔太郎氏(32)の振る舞いでした。
「公的立場にある政務秘書官として不適切であり、けじめをつけるため、交代させることとした」。首相は5月29日夕、官邸で記者団に、首相秘書官である翔太郎氏を交代させる考えを明らかにしました。事実上の更迭でした。昨年末、公邸で親族らと「忘年会」を開き、赤じゅうたんの階段で記念撮影するなどしていました。首相は25日夕、翔太郎氏に厳しく注意をしたと説明する一方、処分や更迭は否定していたので、対応を一変させたことになります。
この間の27~28日に朝日新聞社が実施した5月の全国世論調査(電話)では、この公邸忘年会について、「どの程度問題だと思いますか」と尋ねました。
結果は、「大いに問題だ」44%、「ある程度問題だ」32%、「あまり問題ではない」19%、「全く問題ではない」5%でした。「問題だ」は計76%、「問題ではない」は計24%です。
「問題だ」と答えたのは、4人のうち3人にのぼり、かなり多いのですが、むしろ驚いたのは「大いに問題だ」が4割を超えたことです。こうした4択の質問では、「ある程度問題だ」「あまり問題ではない」に答えが集中しがちだからです。酒席でのたわむれで済む話ではない、という有権者の憤りが感じられます。
ただし、受け止めには、男女差がありました。「大いに問題だ」は男女とも44%でしたが、「ある程度問題だ」は男性が25%だったのに対し、女性は37%。「問題だ」は、男性は計69%、女性は計81%でした。男性の方がやや寛大と言えそうです。
年代差もありました。「大いに問題だ」は18~29歳では29%と3割に満たなかったのに対し、70歳以上では57%と6割に迫りました。「問題だ」は30代以下は計66%でしたが、60代以上は計8割を超えました。
評価を聞いた理由は
世論調査でこの質問をしよう…
- 【視点】
『世論調査で質問するには「ふつうに生活を送っている人が見聞きしている」というのが一つの目安』と記事にあるけど、そもそも「ふつうに生活を送る」の「ふつう」ってどういう状態なのでしょうか。新聞社や質問の仕方、重ね聞きをするかによっても違う結果が
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