ANAが業界初のNFT取引ビジネス 3D航空機「幻のデザイン」も
高橋豪
ANAホールディングス(HD)が、NFT(非代替性トークン)を取引するビジネスに乗り出した。30日に航空会社で初めてウェブ上のプラットフォームを立ち上げ、出品者も募り始めた。デジタル上の「1点もの」を求める航空ファン向けの商品を売りにする。
NFTは「証明書付き」の電子データで、複製できないのが特長だ。ANAは7日にコレクター向けに「3D航空機」2種類の販売を始める。2011年に導入したボーイング787型の初号機をデザインした際、採用されなかった「幻のデザイン案」を施した機体もある。このほか、航空写真家のルーク・オザワさんの作品も出品されている。
今後は地域の特産品の所有権をNFT化する事業も検討する。ウイスキーなどの「年代もの」では、製造過程で購入する権利を電子データで得られる商品もある。同様に、国内の特産品でも権利の電子データを商品化することが考えられるという。NFT市場で欧米に特産品をアピールすることで、訪日客の航空需要を増やしたい考えだ。
乗り物のNFT化は、JR西日本やJR九州、京王電鉄、東京メトロなどの鉄道会社で始まっている。NFTの22年の世界の市場規模は約30億ドル(約4千億円)で、5年間で4倍以上に成長すると予測されている。(高橋豪)