北海が8年ぶり優勝、夏の甲子園へ投打が充実 春季北海道高校野球
第62回春季北海道高校野球大会(道高野連など主催)の全道大会は30日、札幌円山球場で決勝があり、北海が北海道栄を13―2で破り、8年ぶり12度目の春の優勝を決めた。
北海は、準々決勝の札幌日大戦、準決勝の札幌大谷戦で完封勝ちで見せた手堅い守備に加え、先発全員安打となる計15安打と強打を発揮した。一方、北海道栄は4投手が登板したが、三回5連打を浴びての大量失点が響いた。(佐々木洋輔、上保晃平)
夏の背番号1へ 復活の無失点
北海の先発は今大会初登板の熊谷陽輝投手(3年)。3月に右ひじを痛め、マウンドから遠ざかっていた。
130キロ中盤の直球に緩いカーブなどを織り交ぜ、打者をテンポよく打ちとっていく。4回を被安打1の無失点に抑えた。「直球の伸びを生かして、球速以上に押し込めた」
熊谷投手は昨夏の南北海道大会準々決勝で14失点し、7回コールド負け。昨秋の道大会決勝でも延長で踏ん張れなかった。「春夏ともに北海道を制覇する」というチームの目標を達成するため、練習試合を重ね、調子をつかみつつあった矢先のけがだった。
今大会、4番打者の熊谷投手は背番号3をつけ、一塁手として出場した。「打ってチームに貢献する」。それだけに集中した。初戦では延長十回、逆転サヨナラ本塁打を放った。
でも、割り切れない。背番号1の岡田彗斗(3年)と長内陽大(同)の両投手は完封勝利を挙げた。はやる気持ちを抑えられず、ブルペンに入ろうとして「我慢しろ」と止められた。
先発を告げられたのは学校を出発する直前だった。「夏の前に実戦を経験させたかった。2カ月ぶりの登板でよく投げてくれた」と平川敦監督。熊谷投手は「夏は背番号1で優勝したい」と意気込む。(上保晃平)
手堅い北海打線 主将が放った本塁打
北海の今北孝晟主将(3年)が、準々決勝に続く公式戦2本目の本塁打を放った。七回表に2点を奪われた後、再び流れを引き戻す一発だった。
北海は伝統的に犠打を絡めた手堅い機動力野球が得意だ。この日も、一、二、三回と無死で出た走者を犠打で進めた。「犠打は全員ができる」と今北主将。3番打者ながら「つなぐ意識の結果が本塁打になった」という。
夏の甲子園に全国最多39回の出場を誇る北海だが、過去の最高成績は2016年の準決勝。春季全道大会を8年ぶりに制し、今北主将は「夏は北海道だけではなく甲子園でも頂点を目指したい」と力を込めた。(佐々木洋輔)
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