NHK「放送法抵触の恐れあった」 未認可のBS配信予算問題で

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滝沢文那 野城千穂 編集委員・後藤洋平
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 NHKが業務として認められていない衛星放送(BS)番組のインターネット配信に絡む費用約9億円を今年度予算に計上していた問題で、NHKは問題発覚後、予算が執行されれば「放送法に抵触する恐れがあった」との認識があったことがわかった。NHKが30日に今回の不適切支出について発表し、明らかにした。ただ、予算の執行前に是正措置を講じ、違法性は解消したと主張している。

 NHKは今後、企業統治に詳しい外部の弁護士らによる検討会を設置し、意思決定プロセスなどの見直しを進める方針。一方、放送を所管する松本剛明総務相は同日の閣議後の会見で、今回の問題の報告をNHKから受けたことを明らかにし、「改めてガバナンスをしっかりとし、これからも適切に放送法にのっとってNHKの運営をしていただきたい」と語った。

 発表によると、NHKは、BS番組のネット配信が、NHKのネット業務のルールを定めた「実施基準」で認められていないのに、配信のための設備調達費を計上。支出の決定は、理事らが稟議(りんぎ)書を承認して行ったという。

 予算は経営委員会の議決を経て、3月末に国会で承認されたが、実施基準で認められていない業務の支出をすれば、受信料の目的外使用を禁じた放送法に抵触する恐れがあったため、NHKは調達した設備を、業務が認められている地上波番組の配信向けに転用するなど、支出を決めた稟議書の費目を修正して是正した。予算自体の修正は必要はないとしている。

「稟議で支出を決められる話ではない」

 経営企画局の担当者は、「B…

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